決断を保留するときは必ず期限を切ろう

生きていると色々と決断をしなくてはなりません。昼ご飯を選ぶとか、服を買うとか、そんな小さな決断もあれば、今後の自分の進路に関して決断をしなくてはならないこともあります。
そういうときに「保留など無駄だ。即決しろ」という声もありますが、それは暴論でしょう。なんでもかんでも思ったままにやっていてはリスク管理などできたものではありません。保留する時間は多かれ少なかれ必要です。
しかし、保留してばっかりでもダメでしょう。保留する理由は大きく2つにわかれると思います。「もっと情報を集めるため」と「他の選択肢がなくなるリスクを管理するため」。これらは決して間違っていませんが、そのために長く決断を保留することは間違っていると僕は思います。
まず「もっと情報を集めるため」に保留をする人がいますが、その場合は情報の量を区切るべきです。すべての情報は集めることはできません。
決断をするときに集める情報というのは、自分に関する情報と環境に関する情報だと思います。しかし、自分も環境も日々変わっていくものです。ですから、情報を集めている内に集めるべき情報も変わっていってしまいます。それでは永遠に情報集めは終わりません。また、その決断がうまくいく可能性を上げる情報がなんなのかは、実は決断した後にしか分からないことが多いです。幾ら考えても仕方の無い領域にある情報というのは存在するのです。
かといって、全く情報を集めないのはナンセンスです。ですから、期限を切って短いスパンで情報を集めるのが、決断に関する情報集めには重要です。すると、どういった情報を集めるのかということにも自然と気が向きます。

意思決定をするときには、いますでにある選択肢を狭めてくれる情報だけが役立つのだ。

仮説思考 p.36

他に「選択肢を狭めるリスク管理のため」に保留する人がいますが、その場合はリスク管理に必要以上のコストを払っていないか注意すべきです。
何かを選択することは、確かに他の選択肢をなくすことにつながるでしょう。しかし、本当に自分が思っている程に選択肢はなくなるものなのでしょうか?僕はそんなことはないように思います。確かに、決断は選択肢を狭めるものなので冷静に考える時間は必要でしょう。ですが、どのくらい選択肢がなくなるかは実際やってみなきゃ分からないところも多いので、必要以上に考えても仕方ありません。
同時に、時間経過というものは選択肢を減らすことは確かなので、遅い決断は選択肢を狭めます。逆に、早い決断はその分早い修正を許します。早く決断する方が、選択肢を狭めるリスクを管理できているという見方もあるのです。
以上のことから、どちらの理由をもって保留する場合にも、その保留は短い時間であるべきだと言えます。しかし、保留は心地いいものなので「いずれやる いずれやる」と思っていても、なかなか決断しなくなってしまうものです。ですから、決断のリミットとなる期限を決めてそれを順守すること。それが間違いや後悔を起こしにくい決断となるのではないでしょうか。
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